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Diego Gutiérrez Zaldívar―AMAセッションにおける質疑応答

Published on: 2 6月, 2020

2020年5月28日

2020年4月23日、IOVlabsのCEOであるDiego Gutiérrez ZaldívarがAMAセッションに参加し、オープンフォーラムにてコミュニティからの質問に回答しました。以下では、新型コロナウイルス(Covid-19)をきっかけにしたIOVlabsの取り組み、RIF TokenとRIF on Chainの価値、およびエコシステムにおけるTaringa!の役割について、フォーラムでZaldívarにより語られた内容を記事化しています。

Q:このパンデミックの中、IOVが果たしている役割は?

A:このパンデミックの中、当社は前線で戦っています。当社は、ラテンアメリカ全土の市民がRIF Directoryを使用できるようにするために、David-19と呼ばれる米州開発銀行によるプロジェクトを始めとした複数の取り組みに参加してきました。ある人が新型コロナウイルス(Covid-19)の症状を示している場合、その人の免疫力が発達したかどうかを検証することができます。当該データは、個人情報やプライバシーを提供することなく、ブロックチェーンで検証が可能です。 

また、当社は、Bitgive COVID19のスポンサーおよび資金供与者でもあります。Bitgiveは、RSK上に構築された寄付プラットフォームです。本キャンペーンは5月5日に開始され、3つのプロジェクトをサポートしています(https://www.directrelief.org/emergency/coronavirus-outbreak/https://ofwemergencyfund.org/https://www.givedirectly.org/―それぞれラ テンアメリカ、カリブ海、アフリカ地域)。

Taringaについては、オープンソースのRIF Walletをローンチする予定です。これにより、中小企業と個人は、物理的なやり取りが不可能になった場所でデジタル取引を行うことができます。現金取引の代替手段となるため、これは非常に重要なローンチです。ラテンアメリカの現状においては、人口の50%が現金を使用している地域も存在します。現金経済が突然適切に機能しなくなってしまったため、現金経済からデジタル経済に移行できるよう、早急に代替手段を提供する必要があります。しかし、巨大化して人口を監視するようになるシステムは避けなければなりません。

Money on Chainが、RIF Dollarの提供を先日開始しました。RIF Dollar(RDOC)は安定資産ですが、P2Pの安定資産でもあるため、RIF Dollarに対する担保はRIF Tokenです。また、人と人の間に構築される金融システムであるため、従来の銀行システムは必要ありません。RIF on Chainは完全にRSKシステム上で実行されているため、RIF TokenとRIF on Chain Tokenを使用します。価格変動性を排除し、RIF Servicesを購入したりRIF Toolsを使用して取引や売買を行うことを可能にする安定資産であるRDOCは、RIF Economyの鍵となります。ユーザーは、自らが使用しているシステムが完全に分散型であり、取引相手に関するリスクが存在しないことを知っています。また、私たちは現在、従来の金融システムが多くの課題に直面、そしてある意味崩壊しているとも言える状況にあります。そのため、従来のシステムに代わるツールを備え、集中型システムではなく技術および分散型システムに依存することが非常に重要です。今こそ、当社の出番です。当社が何年にもわたって開発を続けてきたツールは、まさに今、生産が開始されるところです。もちろん、誰も新型コロナウィルス(COVID-19)を予測できなかったはずです。しかし、パンデミックは、当社の開発による技術を社会が必要としているのと同時に発生しているため、皆さんの手助けができることを嬉しく思います。社会のニーズの背後にあるすべての取り組みをどのように再調整できるかを確認することが、当社の主なテーマです。

イベントに関して、またコミュニティとの対話を継続し、プラットフォーム、ブロックチェーン、ビットコインに関する教育コンテンツを提供するために、当社はすぐにオンライン形式に移行し、今後も継続を予定するウェビナーを3月末に開講しました。 これまで48回のライブウェビナーを開講しており、それらはYouTubeチャンネルにもアップロードされています。

ビットコイン、ブロックチェーン、および当社のRSKおよびRIF技術に関する無料の教育コンテンツは、特にビットコインエコシステムになどの分野で気軽に利用できることが不可欠であると当社は信じています。そして、このような時代のコンテンツは、障害が現在大幅に軽減されている従来システムの代替として位置づけることができます。 

Q:IOVは、貧しい人々に金融教育を提供するためにどう役立ちますか?

A:まず、人々のニーズを特定する必要があります。

人々のニーズを満たせなければ、できることは殆どありません。したがって、彼らが暮らすコミュニティに赴き、財布を渡して、「この財布はリスクを分散する方法や当社と取引する方法を教えてくれますが、皆さんの直接的なニーズは解決してくれません」と言ったところでうまくきません。脆弱な地域に住む人々は、長期的思考を持つ余裕など無いのです。そのような人々は、おそらく一、二週間、最長でも1か月という短期で考える必要があるので、当社は、彼らの日々のニーズを解決する必要があります。たとえば、オンラインショッピングを行う方法などです。そのため当社は、多くの国において地元のパートナーと協力しています。このソリューションは、従来の経済とも結びついている必要があるため、従来の銀行システムと統合する必要があります。これが第一歩です。私は、銀行口座を持たない、あるいは金融システムを利用できない人々にとって現在最も差し迫った課題は、オンラインで財やサービスを購入し、デジタル決済を行う方法を見つけることだと思います。完全な現金経済で生活する彼らには、その準備ができていませんでした。当社は主に、RIF Walletの統合、ゲートウェイの統合、そしてもちろんローンチしたばかりのRIFの安定資産にも焦点を当てています。新興市場では現地通貨がインフレであるため、RIF Dollarは非常に重要です。新興市場における現地通貨の下落は非常に速いため、より安定した資産を利用して自分自身を保護できるようにすることが非常に重要なのです。一般の人々が利用できるデジタル決済ソリューションを構築し、人々が自らの財産を保護できるシステムを提供することが、当社の主な焦点です。当社が米州開発銀行と共に取り組んでいる非常に興味深いプロジェクトは「didi」と呼ばれ、ブエノスアイレスのスラム街居住者にブロックチェーン技術に基づくデジタルIDと評価システムを提供することを目的としてます。これは、従来の金融メカニズムを利用できずサービスが行き届かないコミュニティに実装を可能にすることを当社が望む、実験的取り組みです。

Q:RIF Tokenに流動性が不足していることを心配していますか?より多くの取引所に上場する予定はありますか?

取引所に上場することで流動性が高まるとは思いません。それはおそらく誤解です。もちろん、トップの取引所に上場すれば効果があるでしょうが、最も重要なのは、RIF Tokenで積極的に経済活動を行うことです。そして、RIF Dollarにより、それが可能になります。なぜなら、当社は現在、ドルに対する安定資産を所有しているからであり、そのことは、地元経済および従来の経済では有用です。

当社は、真の需要を生み出す人々にソリューションを提供し始める必要があり、その真の需要が流動性を生み出すことになります。人為的な流動性は短命です。長期的に維持することはできません。だからこそ、当社は常にユーザーの使用事例に焦点を当て、そのエンドユーザーにとって意味のある製品の開発を行っているのです。これが、あらゆる通貨、技術、製品にとって健全な市場を構築するために当社が目指す真の道です。

Q:Taringa!はどのようにRSKおよびRIF Ecosystemに統合されますか?Taringa!に関してはどのようにして行く予定ですか?

当社が昨年Taringa!を買収したのは、まさに、RSKとRIFをTaringa!エコノミーと統合するためです。現状を述べると、Taringa!の登録ユーザーは約3千万人です。暗号ウォレットを統合することにより、Taringa!をシェアリングエコノミーに変換することができます。そこでは、ユーザーが作成したコンテンツからプラットフォームが得る価値を共有します。当社は、真のシェアリングエコノミーを構築しているのです。そして、RIFおよびRSK技術をより身近なものにし、コミュニティとその集団の貢献を認識することができます。当社の戦略の第一歩は、基盤の構築です。次に暗号ウォレットをローンチし、Taringa!エコシステムに統合すると、ウェブウォレットとモバイルウォレットの両方の役割を果たすようになります。

誰かがTaringa!プラットフォームの価値を生み出すたびにRIFが担保するTaringa! Tokenにより価値が認識されるよう、当社は、Taringa!をシェアリングエコノミーに変換します。そうすることで、Taringa!インフラストラクチャがRIF ServicesとRIF Tokenに担保され、強化されるようになるでしょう。この方法により、当社はTaringa!をRIFと繋げます。Taringa!プラットフォームにはロイヤルティプログラムを設定する予定ですので、割引も提供します。Taringa!は、ラテンアメリカ諸国とスペインでは驚くほど有名です。

当社の考えは、まず、Taringa!エコノミーをRIF MarketplaceおよびRIF Servicesに移植または統合することです。次に、インフラストラクチャを人々の手に委ねることを念頭に置いて、これらのコンポーネントでシェアリングエコノミーを構築します。当社は、Taringa!エコノミーだけでなくインフラストラクチャも分散型にしようとしているため、これは真の意味で初めてのP2P・分散型ソーシャルネットワークになります。また、追加機能としてマーケットプレイスも織り込みたいと考えています。当社は、このソーシャルネットワークをRIF Servicesに基づいた真にオープンなシェアリングエコノミーに変換し、ユーザーが自分のデータとプライバシーを管理できるようにします。それが、当社の長期的なミッションです。

Q:David-19構想について詳しく教えてください。

A:勿論です。David-19は、米州開発銀行と協力してヘルスパスポートを作成することを目的とした当社の最新の取り組みの一つです。この技術により免疫力のある人を容易に特定することが可能になり、病気の人の健康状態を追跡できます。

当社はこれを、プライバシーが保護され、かつ安全な方法で行おうとしています。それこそ、当社が提供するソリューションです。しかし、大規模な人口の監視を行うシステムを構築せずにそれを行う方法を編み出すことは、当社の大きな課題です。このパンデミックは、個人の自由を奪う言い訳として利用されるべきではなく、当社の技術は、適切なバランスを維持することができます。つまり、集団的インテリジェンスを活用して、プライバシーを損なうことなくスマートな方法でと、人と人との間を調整するということです。

これには2つの側面があります。たとえば、「必要なのは、より多くの統制と人口の集中管理だ」と主張する全体主義的システムを信奉する、または全体主義的政府が存在するとします。 一方、「私は、自己組織化して再利用可能なマスクや人工呼吸器を作ることができる」という市民が存在するとします。このような場合、私は、市民が自らの生活を取り戻し、ブロックチェーン技術が反政府ではないことを理解するように働きかけるでしょう。ブロックチェーン技術は、人々の権利拡大と自己組織化を目的とした技術なのです。

Q:Taringa!は、スペイン語圏のコミュニティに合わせた作りになっているようです。他のコミュニティへの拡大を検討していますか?

A:勿論です。Taringa!のインターフェイスはすでに英語です。また、中国語を始めとした世界の主要言語にも翻訳を行う予定です。RSKとRIFのコンテンツはすべて7言語で提供されており、Taringa!も同様に7言語で提供する予定です。

勿論、インターフェイスに留まらず、コミュニティも構築します。当社は、Taringa!で構築を行っているこのオープンシェアリングエコノミーモデルを統合したいと考えています。そのモデルが実証され、機能し、持続可能になれば、その後は他の文化や言語にも導入することができます。

 

Q:GasnorはRIF Tokenを使用しますか?

A: Gasnorは、アルゼンチンの主要ガス供給ネットワークの一つです。同社は、RIF Servicesのプライベート版とパブリック版で実行される、エンタープライズ版RIFソリューションを使用しています。ネットワークにRSK Enterprise Nodeを使用しているのは興味深いことですが、同時に、ガスの専門家はPublic RIF Directory Serviceを使用しています。

当社は長年の間、定義上はネットワークの中のネットワークである、価値のインターネットについてお話してきました。私たちにとって、ビットコインは、最も信頼性の高いバリューネットワーク貯蔵庫の基盤です。RSKはビットコイン機能を本格的な金融システムに拡張しましたが、当社は、公と私の間の境界線を曖昧にする、価値のプライベートネットワークを所有することになります。モノリシックなものはこの世に存在しません。「あらゆる問題を解決可能な単一のソリューション」は存在しないのです。 ビットコインには多くのシステムが連携し、相互接続しています。そしてそれが、当社がビットコインの生産的なサイドチェーンを作成した最初の企業である理由です。当社はまた、ビットコインをEthereumと統合して、EthereumからRSKに価値を転送できるようにしました。当社は、この技術を進化させて、すべての主要なパブリックネットワークとプライベートネットワーク間の完全な相互運用性を実現します。なぜならそれが、価値のインターネットの構築という当社が追求するビジョンだからです。当社には、包括的かつ万人にサービスが提供される未来である、未来の金融インフラストラクチャを構築するという非常に具体的な目標があります。現在のインフラストラクチャは、人口の半分にサービスを提供できていません。RSKおよびRIF技術には、開放性、中立性、包括性の価値があることが非常に重要であり、その価値はインターネットが本質的に有するものです。当社はその価値を新しい価値のインターネットにも取り入れています。尚、Gasnorの発表についての詳細は、https://iovlabs.org/press/argentinian-natural-gas-distributor-gasnor-to-launch-blockchain-pilot-with-regulators.htmlにアクセスしてください。

Q:最近、RIFとRSKのロードマップが更新されました。更新日は正しかったと思いますか?

A:はい、正しかったと思います。当社は、RIFチームとRSKチームに100名以上の従業員を擁しており、採用と事業開発に携わるチームも存在します。当社は、組織として急速に規模を拡大してきました。そして、規模は毎年倍増しており、今年は統合の年になると思います。現在は、特に戦略的目標に焦点を当て、製品の提供と組織の最適化に注力したいと考えています。

チームが成熟するにつれ、ロードマップへの依存度はますます高まっており、今年はロードマップが実行される年になると思います。その動きはすでに始まっています。具体的には、rWalletはすでにアプリストアからの承認待ちであり、第2四半期には、Taringa!が統合されます。

RIFおよびRSKロードマップ

RSKロードマップのブログ投稿

RIFロードマップのブログ投稿

Q:シェアリングエコノミーとは何ですか?

A:シェアリングエコノミーとは、私たち全員が何かの消費者であり生産者でもある経済のことです。RIF Infrastructure全体は、シェアリングエコノミーの概念を中心に構築されました(RIF紹介動画)。仕組みとしては、自分のハードディスクの一部をネットワークサービスに使用して他の人達向けにデータをホストすることで、そのサービスに対する金銭的対価を得ます。そして、当該対価は、他の人が提供するサービスを利用するため対価として使用することができます。したがって、集中型データセンターを設けるのではなく、あらゆるネットワークユーザーがサービスを提供するということです。これこそが真のシェアリングエコノミーであり、誰もが自ら消費するサービスの一部となる点で、興味深いことです。

RSKは完全なP2P金融システムを構築するための基本的な要素であるため、インフラストラクチャサービスから始まりました。RIF Marketplaceは開放型シェアリングエコノミーエンジンであるため、誰でも自分のシェアリングエコノミーを構築できます。そこには、評判モデルとポータブルアイデンティティが存在します。たとえば、独自のシェアリングエコノミーを構築する場合、Taringa!で獲得した評判を自分のシェアリングエコノミーで使用できるようになり、自分のシェアリングエコノミーにおいて決定できるようになりますが、それは、Taringa!における評判に基づいたマーケットプレイスになる可能性があります。シェアリングエコノミーと交流するほど、評判が拡大するということです。

技術面から述べると、当社のチームはライブラリとrWalletを構築しているところです。このウォレットはオープンソースなので、ニーズに合わせてカスタマイズ可能です。当社は、構想段階からシェアリングエコノミーが完成するまでに要する期間について、数週間を目指しています。このサービスは、それほど高性能です。

現在、金融アプリケーション構築には多くの障害が存在します。構築には、多くのリソースとセキュリティが必要です。当社には、その両方があります。当社は、金融アプリケーションの構築を民主化することができます。当社は、シェアリングエコノミーの構築を民主化し、シェアリングエコノミーがより多く出現するほどユーザーとシェアリングエコノミーに対する価値がより高まるものを構築することができます。当社は、現在の閉鎖型シェアリングエコノミーの価値を分配し、人々へ還元することに取り組んでいます。

Q:他の分野でRIF ServicesとRSK技術プラットフォームが統合されると思いますか?

A:勿論です。RIFは、スマートコントラクト機能を備えたすべての暗号経済へのポータブルインフラストラクチャレイヤとして設計されました。EthereumとRSKの間にブリッジを最初に構築したのは、それが理由です。次の段階は、RIF TokenをEthereumに移植し、EthereumエコノミーでRIF Servicesの提供を開始することです。

実際、Ethereumを使用した素晴らしいプロジェクトが進行中です。たとえば、RIFに統合される最初の分散型ストレージプロトコルは、Ethereumに携わる最古参の分散型ストレージチームであるSWARMチームと当社が共同で構築したものです。目下、IPFSとの統合に取り組んでいるため、RSKで実行されるストレージ向けに2つの主要プロトコルが誕生することになります。目標は、EthereumでRIF Marketplaceを実行することです。当社はまた、Oracleプロトコルの統合について、Chainlinkと協力しています。Oraclizeとして知られていた「Provable」はすでに存在します。また、RNS(RIF Name Service)もENSと標準を共有します。将来的には、RIFを多くのネットワークに移植可能にすることが目標です。勿論、Ethereumは最も重要なので、最初に処理する案件です。私たちはビットコインをRSKで担保しましたが、経済活動、ユーザー、および可能性が存在する暗号経済もそこに統合されるでしょう。

Q:RIF on Chainについて詳しく教えてください。

A:RSKを立ち上げた時にSergio Lernerと最初に話し合ったのは、RIF on Chainのコンセプトでした。 最も脆弱な人々に役立つ金融包摂のためのシステムを構築したかったため、私たちはP2P通貨システムを構築する方法について話し合いました。私は、お金を盗んだり、倒産後に何も残さない第三者には依存したくありませんでした。

私が考えていたのは、どうすれば新たな通貨システムを構築できるかということです。私たちにはステーブルコインが必要です。明確になったのは、私がブエノスアイレスのスラムでボランティアグループと共に働いていた時でした。人々が自らの短期的な富を守る手段を保持できるよう、少なくとも現地通貨であるペソ、そして米ドルの代替が必要でした。彼らには、ビットコインの価格変動性に晒される余裕などありませんでした。なぜなら、彼らにとっては、その日を生き抜くことが重要だったからです。

私がSergioに言ったのは、金本位制のようにビットコインを金として使用し、安定資産を生成するための担保として「金」を保持するスマートコントラクトを構築できるかもしれない、ということでした。その意味で、私は、暗号ウォレット内のすべてのドルがビットコインに担保されていることを知っていました。ビットコインの値動きは激しいため、複数回担保を行います。たとえば、ビットコインが80%下落したとします。その結果、ビットコインの担保として5倍の額のドルを捻出することになります。この場合、常に兌換(だかん)性があるということです。

私の最初のモデルは非常に単純で、担保付債務ポジション(CDP)付きのMakerDAOモデルに類似していました。私は、Money on Chainがそのモデルを採用し、さらに優れたものにしたことを嬉しく思います。また、即時の流動性が提供されたことなど、私の最初のプロジェクトが抱えていた多くの課題が克服されました。Money on Chainプロトコルにより、いつでも安定資産をビットコインに換金できます。RIF on chainにより達成されたのは、初期のビットコインが担保するプロトコルを採用して、RIFが担保する同様のプロトコルが構築されたことです。RIF EconomyとRIF Servicesが成長するに伴い、市場も成長します。現在、RIF Economyにおいては、RIF Dollar、RIF Euroまたサービスプロバイダが望むあらゆるRIF関連の安定資産によりサービス提供が可能です。RIF on Chainを利用することで、RIFサービスプロバイダはRIFが担保するすべての安定資産を利用できます。現在、RIF on ChainはRIFの担保により約7倍の価値を捻出しているため、とても安全です。

Q:Taringa!にはどのような金融サービスを計画していますか?

A:当社の目的は、金融サービスを定義することではなく、オープンな金融システムを構築することです。他の人が金融サービスを提供できるように、当社は基本的なインフラストラクチャコンポーネントを構築しています。現在、Taringa!は閉鎖型ネットワークであり、Taringa!関連のシェアリングエコノミーだけがサービスを提供できますが、将来的には、他の企業がコンプライアンスモデルを使用して金融サービスを提供できるようになります。従来の金融システムからP2P貸付システムまで、サービスは何でも構いません。

当社は、Taringa!APIを一般公開し、他のユーザーがプラグインして地域のユーザーに合わせたサービスを提供できるようにしたいと考えています。アルゼンチンかヨーロッパにいる場合は、たとえば、地元の金融システムと繋がるためのサービスプロバイダを利用できるようになります。当社は、SEPAシステムまたはアルゼンチン国内の銀行システムを使用して、Taringa!エコノミーの着手に取り組んでいます。

最初に立ち上げるのは、Targina!シェアリングエコノミーとそれに付随するロイヤルティプログラムです。これらの機能は、考えうるすべての金融サービスが存在するオープンな金融システムにまで展開します。つまり、融資、保険、コンプライアンスなど、あらゆる金融サービスです。ウェブウォレットやモバイルウォレットのサービスも提供しますので、従来の金融システムによるサービスを受けていない人も、自分独自の金融システムとして利用することができます。人々はTaringa!アカウントを取得し、金融サービスをすぐに利用できるようになります。

Q:RIF on Chainに投資する方法は?

A:Money on Chainは、プロトコルレイヤにおいて素晴らしい仕事をしました。数週間前にビットコインが50%大暴落した際、Money on Chainプロトコルは強力でした。Dollar on Chainが完全に担保されたままで、システムは完璧に動作しました。しかし、ユーザーの観点からは、Money on Chainは非常に複雑です。RIF on Chainは、トレーダーまたはより財務目的に重きを置くユーザー向けに調整されています。そして、そのようなユーザーと協力してフィードバックを提供することで通常のユーザー向けに調整されたインターフェースを構築しているところですので、しばらくお待ちください。RIF on Chainプラットフォームにアクセスして、実際に使用してみてください。プラットフォームにアクセスしてRIFをRIFpro(RIFP)に換算すれば、RIFと同様の価格変動性に晒されていることがわかります。RIFが上昇すると、RIFPが若干上昇します。また、RIFをRIF Dollar(RDOC)に換算することができます。したがって、安定資産を保有して価格変動を固定することで、リスクを軽減することができます。RIFXと呼ばれるトレーダー向けの資産がありますが、RIFの価格変動に対して2倍のリスクがあります。そのことは、金融業界の人々にとっては興味深いかもしれません。

Q:RIF保有者にとって、RIF on Chainの価値は何ですか?

A:RIF on Chainは、サービスのRIF EconomyをRIF Tokenに結び付け、ユーザー間の摩擦をゼロにします。RDOCの場合、RIF Euroが次の使用事例になる可能性が最も高いでしょう。世界のすべての主要通貨について、RIF担保型資産が登場する可能性は極めて高く、ユーザーは、すでに知っている通貨でRIF Servicesに対する支払いを行い、その価値を認識するでしょう。このことは認知的不協和を発生させないので、非常に有意義です。ユーザーは通貨を換算する必要がなく、サービスプロバイダは、システムに参加するために一定額のRIFまたはRIF担保型資産を固定する必要があります。

ユーザーがRIFの価格変動性に晒されたくない場合、RIF Dollar、RIF Euro、または必要なRIF安定資産を出資すればよいので、換算後はまったく同じ価格であることがわかるでしょう。RIFを長期間保持したい場合、P2P通貨システムの取引手数料による利益を取得しながら、RIF on Chainシステムを介してRIFを上昇傾向にあるRIFPに換算し、上昇を待てばよいでしょう。

RIF Economyが成長し、より多くの人々がRIFの安定資産を利用するようになると、RIF保有者はプラットフォームによる収益の一部を手に入れることができるので、受動的収入を望む長期RIF保有者にとって、それは良い手段です。このことでRIF ServicesユーザーとRIF保有者の利害が一致するため、双方にとってWin-Winとなります。

Q:RIF Tokenはどんなことに利用できますか?

A:現在、RIF Tokenを利用して様々なことを行うことができます。RNS(RIF Name Service)と呼ばれる分散型ドメインネームシステムを使用して、ドメイン名を登録できます。 現在、ドメイン名を登録する唯一の方法はRIF Tokenを使用することですが、まもなくRIF担保型資産を使用して登録することもできるようになります。また、RIF StorageのPINシステムを使用して、プラットフォームにデータを保存することもできます。金融包摂により、クレジットカードを所有せず金融システムを利用できない人々にサービスを提供するため、この機能は重要です。そのような人々は、クレジットカードを持っていないためAWSやクラウドシステムを利用できません。そのため、RIF Storageを使用することで、評判情報をすべてバックアップできるシステムが提供されます。そのような人々は担保として使用できる資産を保有していないため、金融システムを利用できません。そして、車や家がない人もいれば、定期収入さえない人もいます。しかし、RIF SystemとRNS Systemをベースに当社が構築を行っているすべてのRIF IDモデルを使用することで、彼らは信頼に足る評判を生み出すことができ、その評判はローンを組んだり知らない第三者と取引を行うための担保になります。ユーザーの評判が高まるにつれて、その評判はユーザーにとって最も価値のある資産になります。なぜなら、他の資産を保有していなからです。だからこそ、RIF storageのようなバックアップシステムが必要なのです。

数週間以内に、当社はRIF StorageシステムとRIF Marketplaceの統合をローンチします。それにより、人々はマーケットプレイスでストレージを購入できます。RIF Marketplaceは、RIF Luminoプロトコルとも統合されています。これは、P2P決済可能にするオフチェーン決済システムです。P2P決済はオンチェーン決済よりもはるかに速くスケーリングするため、RIF Lumino決済も一部のセキュリティサービスにRIFを使用します。

また、Oracleを支払うことで現実世界の情報を取り込むことができる、Chainlinkベースのゲートウェイシステムもあります。 

RIF Gatewaysプロトコルも、RIF Marketplaceに統合されています。 今後は、セキュリティ通信市場も登場します。そこでは、TORプロトコルと同様、通信のセキュリティ保護に対して支払いを行うことができますが、インセンティブ方式を使用してデータを安全な方法でルーティングするノードに支払います。

Q:提携しているアルゼンチンの銀行もRIF Servicesを利用する予定ですか?

A:利用する予定です。当社は現在、エンタープライズ版RIFと政府版RIFを構築しているところです。GasnorGrupo Sabraというパートナーとともに始めましたが、RIF技術の使用をプライベート環境とパブリック環境の両方に拡張しているところです。エンタープライズ版RIFまたは政府版RIFを使用するユーザーの場合、プライベート版とパブリック版の使用頻度が異なるでしょう。プライベート版の使用頻度のほうが高いユーザーもいれば、その逆もしかりです。私にとっては、これらの組織が技術の仕組みを把握していることが重要です。つまり、プライベート環境で始めたとしても組織がプロトコルの仕組みを把握しており、技術チームがIFソリューションの実装方法を把握していることが重要なのです。そうすれば、パブリックネットワーク上でもRIF Servicesを非常に簡単に使用できます。

Q:なぜ、RSKを介したDeFi on Bitcoinなのでしょうか?

A:DeFiという用語が生まれる前に、そのコンセプトについての話し合いは始まっていました。私が2015年の年末に受けたインタビューをご覧いただければ、ビットコインとRSKを使用して包括的な金融システムを構築する方法についてお話したことがわかります。DeFiについてはプロジェクトの最初から構築を継続してきており、当社の目標の中心です。人と社会の真の価値は開放性と中立性であるため、当社は金融システムの分散化に取り組んでいます。2012年、私は初めてビットコインを使用しました。その当時、私は資本規制が存在するアルゼンチンにいました。入金や出金は不可能でした。その時友人が、「ビットコインは凄い。使ってみたらどうか。このウェブサイト(blockchain.infoでした)でアカウントを取得して。」と私に言いました。 彼にアカウントのアドレスを教えると、彼は私に多額のビットコインを送金してきました。その後私は、そのビットコインを彼に返金しました。私たちは誰からも許可を求める必要はありませんでした。そして、すべてのプロセスに要した時間はわずか1時間でした。シリコンバレーとブエノスアイレス間で約5千ビットコインを送金して返金するプロセスです。これが、真にグローバルでオープンな金融システムが機能する方法です。

RSKは、ビットコイン金融システムを完全にオープンな金融システムに拡張しています。これは、初めから当社が試みてきたことの中核です。

では、なぜ、DeFI on Bitcoinなのでしょうか?それが当社の本来のビジョンだったからです。ビットコインは価値貯蔵手段、真の、中立的な、そして政治的な価値貯蔵手段であり、耐検閲性を備え、誰でも利用できます。現在の危機を鑑みると、人々が富を守ることができる手段は多く存在しません。一般庶民は、株や債券などのより洗練された金融商品の取引を行う余裕はありません。金でさえ、入手は困難です。しかし、ビットコインなら誰でも入手できます。誰もがその価値の一部を取得し、それを中長期的に保護することができます。これが、ビットコインがもたらす金融の開放性と民主化です。

当社は、RSKとRIFを用いてビットコインを次のレベルに進化させ、同様の開放性と中立性の価値を有する完全な金融システムを構築します。当社は人々を評価せず、社会的地位、国籍、文化的背景如何を問わずに、これらの金融サービスをすべての人に提供します。それは皆のための金融システムであり、だからこそ、当社はRSKでビットコイン向けのDeFIを構築しているのです。当社は、ビットコインが人々、特に私たちの社会で最も脆弱な人々の富を保護するための最良の方法であると信じています。

Q:ETH-RSKブリッジがエコシステムに与える影響について、もう少し詳しく説明してもらえますか?

A:まず、ブロックチェーンプロジェクトは、相互に不利に働く作用を停止する必要があると思います。なぜなら、最終的には、Ethereum、RSK、ビットコイン、分散型プラットフォームを構築している人々も、すべて同じことを望んでいるからです。私たちは、より平等な社会、誰にとっても平等に機会が与えられる社会を望んでいます。私たちは、人々の資産を保護し、価値を提供していない仲介者を排除し、他者にサービスや価値を提供する場合にのみ権力を保持できるような流動的な権力の構造を構築することを望んでいます。

最終的には、相互運用性が高いほど、ETH-RSKブリッジはエコシステムにとってより良いものになります。それが、当社が構築しているものの価値を保護する方法だからです。単一のシステムを使用している場合、攻撃する明確なターゲットを所有していることになります。複数の相互接続されたシステムを使用している場合、システム全体が存続することがわかっているため、他のシステムを攻撃しても意味がありません。したがって、相互接続されているパブリックネットワークが多いほど、エコシステム全体の回復力が高まり、社会を保護し、すべての人に機会を提供するという目標に近づきます。

Q:このプロジェクトに投資する方法は?

A:RSKおよびRIFはオープンエコノミーです。したがって、経済を活性化するトークンを購入したり、経済活動に参加することができます。当社は目的志向型組織であるため、株主は存在しません。当社はその目的をもって信用を得ています。そして、当社の義務は、その信用を失わないことです。

シェアリングエコノミーに参加する、または価値の一部を獲得する方法は、RIF Tokenを取得してサービスや製品を提供することでシェアリングエコノミーに基づいて構築を行い、参加することです。あなたが新興経済の一部である場合、その経済が成長する時には、すでのその力を理解しているでしょう。あなたは価値命題の中核を担い、価値創造の一員になります。それが、価値を生み出し、サービスを提供し、RIF Economyに貢献し、その一部となる方法を見つけるための方法だと思います。

Q:RIFはある種のZQPをデプロイする予定ですか?

A:コミュニティのチームは、Socratesをデプロイすることで、すでにそれを行いました。これは、RSKの一連の知識証明ソリューションです。まだRIF Economyには統合されていませんが、将来的には、プライバシー保護のために統合する予定です。弊害が発生してしまうため、完全にではなく、適度にプライバシー保護を行う可能性があります。たとえば、少なくとも現在のところは、コンプライアンスや規制当局との衝突を避けるため、衝突することなく、最重要のプライバシーを隠したり保護するなどです。

Q:隔離期間中ですが、どのように過ごしていますか?

うまくやっています。2人の子供たちと一緒に住んでいるのですが、家にはそれぞれに部屋があり庭もあるので、とても幸運です。このようなものを持てて、私はとても幸運だと思います。

チームは、これまで以上に一生懸命働いています。それが難しいことを知っているので、私たちは組織内でできるだけ助け合うようにしています。また、友人や家族、同僚などと、どのように過ごしているかお互い尋ね合い、繋がっていることが非常に重要だと思います。皆がお互いのために存在し、助け合うことができれば、この厳しい状況を学習の機会や絆に変えることができます。

また、この厳しい状況で脆弱な人々の力になるための手段を持っているなら、力になるべきだと思います。それに関連するプロジェクトが進行中ですが、すぐに皆さんと共有したいと思っています。

インタビューのお時間をいただき、本当にありがとうございました。皆さんと繋がれる機会に感謝しています。元気でお過ごしください、そしてこれから繋がり続けましょう。