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中央銀行のデジタル通貨とステーブルコイン。次の動きは?

Published on: 28 5月, 2020

パンデミックの発生により、数兆ドルがさまざまな経済に投資されることになるでしょう。以前に分析したように、中央銀行のデジタル通貨により、政府は、より良い金融政策の伝達をより明確に示すことが可能になるかもしれません。中央銀行は、最終消費者と直接対話するように構築されておらず、通常、金融政策の実施と経済への直接の影響との間には遅延が存在します。この遅延を減らすために、ブロックチェーン技術は、政府が支援するデジタル資産と自己主権型IDを通じて確実にプロセスに役立つことができます。

自己主権型IDを使用することで、政府は個人を特定し、プライベートブロックチェーン上の特定のパブリックアドレスに関連付けることができます。デジタルIDと政府が支援するデジタル法定通貨の両方を組み合わせることで、仲介コストを削減しつつ、支援を必要とする市民の救済をほぼ瞬時に行うことが可能となります。これは、給与小切手などの従来の方法が不要になるという意味ではありません。これは、smart contractsの実行とブロックチェーン技術を通じて、あらゆる国の市民が失業手当を申請し、バイオメトリクスを通じてデジタルIDを生成し、CBDCを通じて現金救済を受けることができることを意味します。これら三つの手順はすべて、ブロックチェーン技術によって完全に自動化されることにより、プロセスを飛躍的に高速化すると同時に、仲介コストを削減することができます。

皆さんもご存知のとおり、デジタル通貨にはいくつかの興味深い機能があります。

1- 遠隔地に住んでいる人や、セキュリティに不安があるなどの国に対してする高度なセキュリティの提供。

2- ブロックチェーン技術に基づくデジタルIDを使用して、金融システムに何十億もの人々が参加できる可能性。

3- ステーブルコインを使用した価格変動リスクの軽減。

4- 仲介コストの削減。

欠点について言えば、紙幣を排除すると、個人のプライバシーが低下するだけでなく、没収の枠組みが構築される可能性があると同時に、紙幣がなければ人口の大部分によって拒否されるであろう負の金利政策が可能になり得ます。

さて、中央銀行デジタル通貨(CBCD)は純粋に理論のみでしょうか、それとも実際に導入を模索している政府はあるのでしょうか?メディアの報道によると、中国はデジタル元についていくつかの特許を申請しており、日本は最近広く受け入れられている中央銀行のデジタル通貨の実装を積極的に検討するようG7に要請しました。Jerome Powell氏はまた、「これは長い間探求されてきたトピックであり、米国政府も興味を持っているようだ」とコメントしています。CBCDは、多くの国において近々実現するかもしれません。

一部の国ではCBCDが次の動きのようですが、投資家の大部分は分散型ステーブルコインにも関心を持っています。2020年または2021年にEthereum 2.0とステーキングモデルがリリースされる予定で、Defiコミュニティからの高い期待があります。しかし、Defiエコシステムの別の関係者は、代替の選択肢を提供するために積極的に取り組んでいます。MakerDAOは、MKRおよびMCD DAIを搭載したEthereumで実行される最も人気のある選択肢です。ですが、ステーブルコインに関しては、ビットコインも独自のアプローチを有します。RSK技術に基づいたMoney On Chainは、暗号通貨の価格変動性の問題を解決し、ビットコインで担保されたステーブルコインを提供し、ビットコインのDeFi化を可能にします。ビットコインには、三種類のトークンがあります。

1- Dollar on Chain(DOC)は、米ドルにDOCごとに1ドルの価値で固定されるステーブルトークンです。このため、ビットコインのリスクを嫌い、価格変動の激しい暗号通貨の環境において安定性を求める個人には理想的です。

2- BPROはビットコインを保有している人のためのトークンで、DOCから不要なビットコインリスクを吸収します。それにより、BPROの保有者が受動的所得を手に入れながら、一方である程度自由にレバレッジを維持し続け、その一部をレバレッジをかけたビットコインの取引交換に転嫁することができるでしょう。 

3- MOCトークンには次の三つの機能があります。

  1. a) MOCを保有する人は、MOCを利用するプラットフォームの利用料金を支払う際に割引を受けることができます。
  2. b) MOCを保有する人には投票権があり、プラットフォームのアップデートに対して拒否権を有します。
  3. c) MOCは「MOC」ノードを実行している人へのインセンティブとして、またBitProの保有者へのインセンティブとして使われます。

つまり、EthereumにMaker DAOや類似のプロジェクトがあるのと同じように、RSKを使用すると、ビットコインの利用者は、MakerDAOだけでなく、最近開始されたRIFのDollar On Chainのモバイル拡張を使用して、ビットコインのブロックチェーン上でDeFiエコシステムを利用できるようになります。

価格変動性の問題は政府が支援する分散型コインで分散され、一部の中央銀行は安定型コインに前向きな見方を示しているため、近々、新技術の採用者の興味深い流入があることでしょう。